アイアンコンドルとは — 日経225オプションの「動かなければ得」を、過去のSQで試算する
アイアンコンドルは、下のプットと上のコールを1枚ずつ売り、さらに外側を1枚ずつ買って損失に上限を付ける形です。 売りのストラングルに「保険」を付けたものと考えると分かりやすいです。
- 日経平均がSQまでに売った2つの行使価格の間に収まれば、受け取った分が利益になります
- 外に出ると損失が出ますが、買った外側の行使価格で損失が止まります
- ストラングルの売りと違い、損失は限定されます。そのぶん受け取りは小さくなります
検索では「アイアンコンドル 勝率」「勝てない」という言葉がよく一緒に出てきます。 このページでは、今日の値段で組んだ例に加えて、過去のSQ間で同じ形を組んでいたらどうなったかを試算しています。
今日の値段で組んだ例
ルール: 売りは現値から±5%、買いは±8%に最も近い行使価格です。
アイアンコンドル(売り)の今日の例(10月2日の清算値段)
62,875円プット 買い 1枚(清算値段 640) + 64,875円プット 売り 1枚(清算値段 1,020) + 71,750円コール 売り 1枚(清算値段 1,055) + 73,750円コール 買い 1枚(清算値段 605)
2026年11月限(残り42日)・日経平均 68,309円。行使価格は決まったルールで自動的に選んでいます。
| 組んだときの受け渡し | 受け取り 830ポイント(ラージ 830,000円・ミニ 83,000円) |
|---|---|
| SQでの最大利益 | 830ポイント(ラージ 830,000円・ミニ 83,000円) |
| SQでの最大損失 | 1,170ポイント(ラージ 1,170,000円・ミニ 117,000円) |
| 損益分岐点(SQ値) | 64,045円・72,580円 |
詳しく見る(日経平均やIVが動いたときの変化)
| 日経平均が100円上がると(デルタ) | 約-1ポイント(ラージ 約-1,383円) |
|---|---|
| 1,000円動いたときのデルタの変化(ガンマ) | -0.026 |
| 1日たつと(セータ) | 約+8.8ポイント(ラージ 約+8,784円) |
| IVが1ポイント上がると(ベガ) | 約-32.2ポイント(ラージ 約-32,188円) |
今日の時点での変化の目安です。日経平均や残り日数が変わると、これらの数字自体も変わります。 意味はデルタヘッジのページで例を使って説明しています。
手数料・証拠金の金利は含みません。清算値段は取引所が算出した理論上の値段で、 実際に約定する値段とはずれます。
過去のSQ間では、どれくらい収まったか
2023年1月から2026年9月までの44回のSQ間(SQの日の日経平均終値 → 次のSQ値)で数えています。
- ±5%の中に収まったのは44回中24回
- ±8%の外まで動いた(損失が上限に達する)のは44回中11回
同じ形を毎回組んでいたら — 「勝率」と損益の大きさ
- 利益で終わったのは44回中28回
- 利益の回の平均は日経平均の+0.99%分、損失の回の平均は-1.66%分
- 最も大きな損失は2023年5月に組んだ回で、日経平均の-2.57%分 (その間の日経平均は+8.9%)
- 44回を合計すると日経平均の+1.08%分
試算の前提: SQの日の日経平均終値で次の限月を組み、次のSQ値で清算したとして計算。値段はその日の日経VIをすべての行使価格に当てはめたブラック・ショールズ式で、実際の値段(下側ほどIVが高い)とは違います。手数料は含みません。損益は「日経平均の何%分か」で表しています (日経平均6万5千円なら、1%分はラージ1枚で約65万円・ミニ1枚で約6万5千円)。
この試算では44回中28回が利益で、44回の合計は日経平均の+1.08%分(ほぼ横ばい)でした。 アイアンコンドルは勝つ回数が多く、1回の利益は小さく、負けた回の損失が大きい形です。 勝った回数ほどには合計が増えにくく、「勝率が高いのに勝てない」と言われるのはこのためです。 実際の値段では下側のプットのIVが高く(この試算より受け取りが大きい)、 一方で手数料や売買の差がかかるので、結果はこの試算から上下どちらにもずれます。
どのデータを見るか
- 日経VI — 受け取れる額はIVの水準で決まります。IVが高いほど受け取りは大きく、そのぶん大きく動く見込みも高い
- 行使価格別のIV — 下側のプットは上側より高いので、同じ距離でもプット側の受け取りが大きくなります
- SQ値一覧 — SQ値は寄り付きで決まるため、前日の終値から離れることがあります
関連: 戦略一覧 ・ ストラドル・ストラングル ・ バタフライ
始める前に
- 売りを含む戦略は証拠金が必要です。必要額は取引所の証拠金制度(VaR方式)で日々変わり、 相場が荒れると急に増えることがあります
- 清算値段は理論値です。実際には売値と買値の差(スプレッド)があり、 遠い行使価格ほど取引が少なく、思った値段で約定しないことがあります
- SQをまたぐと自動で清算されます。SQ値は寄り付きの値段から決まり、 前日の終値から大きく離れることがあります(幻のSQ)
- このページは仕組みとデータの説明で、特定の取引を勧めるものではありません。