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COTレポートの見方 — ヘッジファンドのポジションを毎週チェックする

当サイトの米国市場ページで毎週更新しているCOTデータの読み方を解説します。

COTレポートとは

米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週金曜に公表する「建玉明細報告(Commitments of Traders)」です。 先物市場の建玉を投資家の属性別に集計したもので、 ヘッジファンドなどの投機筋が「どの市場を、どちら向きに、どれだけ持っているか」が分かります。 毎週火曜時点のデータが金曜(米国時間)に公表されます。

当サイトでの分類

ネットポジション=買い建玉−売り建玉。教科書的には、プラスなら買い越し(強気)、 マイナスなら売り越し(弱気)と説明されます。ただし、これを額面通りに受け取ると大きく間違えます。

【最重要】S&P500は「常に売り越し」

当サイトが蓄積した直近56週(約1年)のデータを見てください。

この1年、米国株は基調として上昇しました。 それでもレバレッジファンドは一貫して売り越しのままでした。 つまり「投機筋が売り越し=弱気だから下がる」という読み方をしていたら、 1年間ずっと外し続けていたことになります。

なぜこうなるのか。レバレッジファンドの先物売りの多くは相場観ではなくヘッジや裁定だからです。 現物株を買って先物を売る、オプションのポジションを先物で打ち消す、 現物と先物の価格差を取る——こうした取引は、方向感と無関係に恒常的な先物売りを生みます。 COTのネットポジションは「強気/弱気の投票結果」ではありません。

正しい読み方 — 自分自身の過去と比べる

ではどう使うか。ゼロと比べるのをやめ、その市場自身の過去レンジのどこにいるかで見ます。

ESが−30万枚と聞くと大変な弱気に思えますが、 直近1年のレンジは−51.5万枚〜−23.3万枚です。この中で−29.7万枚は上位96パーセンタイル、 つまり1年で最も売り越しが少ない部類=実質的にかなり強気に傾いた状態です。 符号だけを見ていては、まったく逆の結論になります。

同じ考え方を各市場に当てはめると、同じ週でも状況はまるで違って見えます。

極端な偏りは「燃料」になる

ポジションが一方向に偏りきると、それ自体が反対方向への燃料になります。 売り越しが極端に積み上がった状態で相場が逆に動き出すと、 買い戻し(ショートカバー)を強いられ、値動きが加速するためです。

上の例では、円の売り越しが歴史的水準にあります。 これは「円安が続く」というより、何かのきっかけで急激な円高が起きうる状態と読むほうが実用的です。 逆張りのタイミングを計る道具ではありませんが、どちら側にリスクが溜まっているかは掴めます。

株価と重ねて見る

当サイトの各パネルには価格の推移を灰色の線で重ねて表示しています。 ポジションと値動きを同じ図で見ると、両者の関係が読み取れます。

3日遅れのデータであることを忘れない

COTは火曜時点のポジションを金曜(米国時間)に公表します。 つまり手元で見られるのは最短でも3日前の姿です。 火曜から金曜の間に大きなニュースがあれば、実際のポジションはすでに変わっています。 短期売買のシグナルには使えません。数週間〜数か月の資金の傾きを掴む道具と考えてください。

日経平均にも使える

CME上場の日経平均先物もCOTの対象です。海外投機筋の日本株への傾きが週次で追えます。 ただし規模はES(数十万枚)に対して日経は数千枚と桁が2つ違うため、 少数の参加者の動きで数字が振れやすい点に注意してください。 なお日経については、JPXが公表する取引参加者別のデータのほうが 情報量が多く、しかも証券会社名まで分かります。

あわせて見るもの

データを実際の取引に使うには

日経225オプション・先物の売買には、証券会社の総合口座に加えて 先物・オプション取引口座の開設が必要です(無料・ネット完結)。 建玉やPCRを見て「この水準で張ってみたい」と思ったときに、 口座がないと動けないため、先に用意しておくのが一般的です。

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