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現値近辺で建玉がいちばん厚いのは、コール72,000円(3,704枚)・プット65,000円(2,587枚)です(前営業日終値 68,309円)。行使価格ごとの建玉と前日からの増減は、トップページの一覧表で毎営業日更新しています。

この図の読み方を、以下で説明します。
建玉分布は、権利行使価格ごとに未決済のオプションがどれだけ残っているかを並べたものです。 証券会社のツールでは「市場建玉分布」と呼ばれることもありますが、 これは自分の建玉ではなく市場全体の建玉という意味で、指しているデータは同じです。
当サイトのトップに行使価格別の建玉分布を毎営業日掲載しています。 このページでは、その読み方と、よくある誤読を実データで説明します。
元になっているのはJPXが無料で公開しているファイルで、誰でも同じものを再現できます。
| 入手先 | 形式 | 更新 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| JPX(原本) | Excel(open_interest.xlsx) | 毎営業日20:00頃 | 一次情報。ただし限月・商品ごとにシートが分かれ、そのままでは読みにくい |
| 証券会社のツール | チャート | 各社による | 口座があれば見られる。ミニの扱いや集計範囲は各社で異なる |
| 当サイト | 表とチャート | 毎営業日 | ラージとミニを換算合算し、前日比の増減も並べている。口座不要 |
ファイル名や公表時刻は公式データはどこにあるかにまとめています。
建玉(Open Interest)は、まだ決済されずに残っているオプション契約の残高です。 出来高が「その日に取引された量」であるのに対し、建玉は「積み上がっているポジションの総量」を表します。
同じ1枚の売買でも、建玉が増えるか減るかは売り手と買い手それぞれが新規なのか決済なのかで決まります。
つまり「出来高が多いのに建玉が増えていない」日は、新しいポジションが積まれたのではなく 既存ポジションの手仕舞いや入れ替えが中心だった可能性が高い、と読めます。 当サイトが出来高と建玉の両方を並べて掲載しているのはこのためです。
特定の行使価格に大量の建玉が積み上がっている状態は、俗に「壁」と呼ばれます。 壁が意識される理由は、心理的なものだけではなくオプションを売った側のヘッジ売買にあります。
オプションの売り手(多くは証券会社=ディーラー)は、価格変動リスクを抱えたままにはできないので、 先物などで打ち消す売買(デルタヘッジ)を行います。 現値が大きな建玉のある行使価格に近づくと、この調整売買の量が増えるため、 その価格帯で値動きの性質が変わりやすくなります。
最も多い誤読が、全体で建玉が最大の行使価格を、そのまま壁とみなしてしまうことです。
実例を挙げます。2026年9月4日時点の9月限で、建玉の多い行使価格の上位はこうなっていました。 同日の日経平均終値は65,020円です。
| 行使価格 | 建玉(枚) | 現値との差 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| 50,000円 | 12,047 | −23% | プット8,597 / コール3,450 |
| 65,000円 | 9,175 | ほぼ現値 | コール4,738 / プット4,437 |
| 30,000円 | 7,810 | −54% | プット5,260 / コール2,550 |
| 60,000円 | 7,536 | −8% | プット6,750 / コール786 |
建玉が最も多いのは50,000円で、現値より23%も下です。 3番目の30,000円にいたっては54%下——満期まで1週間の限月で、まず到達しません。 上位4つのうち2つが「届かない水準」だということになります。
この種の建玉は、長期の保険として買われたものや、 過去に組まれた戦略の片側が残っているものと考えられます。 枚数は大きくても足元の値動きとはほぼ無関係です。 実際、期近の最大建玉の行使価格が現値からどれだけ離れているかを24営業日ぶん測ると、 中央値で1,696円、最大では19,220円離れていました。
壁として意味があるのは、上の表なら現値近辺の65,000円と60,000円のほうです。
そこで当サイトでは、現値から上下10%以内に範囲を限定し、 その中でコール建玉が最大の行使価格を「上の壁」、プット建玉が最大の行使価格を「下の壁」としています。 遠い行使価格の巨大建玉に引きずられないようにするためです。
壁の位置そのものより、前日からどう変化したかの方が情報量があります。
当サイトでは行使価格別の前日比増減を毎日掲載しているので、この変化を追えます。
むしろ抜けたときの方が動きが速くなることがあります。 壁を前提に積まれていたヘッジポジションが一斉に巻き戻されるためで、 「上の壁を上抜けたら上放れが加速する」といった動きはこれで説明されます。 壁は「止まる保証」ではなく、値動きの性質が変わりやすいポイントとして見るのが実践的です。
日経225オプションにはラージ(取引単位1,000倍)とミニ(100倍)があります。 当サイトではミニの建玉を1/10してラージ換算で合算し、市場全体の分布として掲載しています。 ミニだけの分布も別途掲載しているので、参加者層による偏りの違いも確認できます。
建玉は限月ごとに集計されます。SQ(特別清算指数の算出日)が近づくと、 残存期間が短くなるぶんヘッジ調整の反応が鋭くなり、現値付近の建玉の影響が大きくなります。 逆にSQ通過後は建玉が一度リセットされ、翌限月に積み直されていきます。 当サイトでは直近3限月分を毎日更新しているので、限月ごとの偏りも確認できます。
データを実際の取引に使うには
日経225オプション・先物の売買には、証券会社の総合口座に加えて 先物・オプション取引口座の開設が必要です(無料・ネット完結)。 建玉やPCRを見て「この水準で張ってみたい」と思ったときに、 口座がないと動けないため、先に用意しておくのが一般的です。
証券会社の比較や申込みの流れは 始め方ガイドにまとめています。